ブログ
2010年ありがとうございました。2011年も宜しくお願いいたします。
ブログでは大変ご無沙汰しております。石原果樹園の石原直樹です。
2011年も始まりまして、本年も何卒宜しくお願いいたします。
暦も『小寒』でしばらく寒さも続きそうです。皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか?
今年の年末の梨出荷も激しく忙しかったです。
遅霜、水不足で収量も減で、多くのご注文に対し商品が足りず困りました。
こんな年があるとは思ってもいませんでしたが、温暖化でこれからはこんな年ばかりかもしれないと思っておかないといけません。
そしてあたご梨もホンの残り僅かを直売所で販売しているだけです。
僕は駆け抜けたブドウ&梨の出荷シーズンもほぼ終わりまして、例年の事ながら、この1月初旬は超ボーッっとしています。こんなにも!と賑わっていた果物狩りシーズンと打って変わって、陰のシーズンです。
今まで撮りためた映画やテレビ番組を観て、一日部屋でダラダラ過ごす事もあります。『お前はひきこもりの夏休みか!』ってなぐらい、全く大人の生活ではありません。今はとんでもなくクールダウンしています。
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大変遅くなりましたが、2010年度も多くの皆様にご愛顧頂き、本当にありがたい1年を過ごさせて頂きました。
よく『日本の農業は衰退している』『先の見えない世の中』なんて言われていますが、僕自身は全くそうは感じません。
こんなに温かいお客様と、素晴らしい仲間に囲まれて、幸せな仕事をさせて頂いています。本当に恵まれています。
これは僕だけでは無く、石原果樹園で働いているスタッフ皆感じています。
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僕は農家の長男に生まれて、幼い頃から『跡継ぎ跡継ぎ』と言われて、20才ぐらいまで農業が嫌いでした。『毎年同じ事やってって飽きないのか?』なんて思っていました。農業の意味が分かっていませんでした。
ですが、今では『これしか無い!』と思えます。
『楽しさ・難しさ・笑い・涙・出会い・別れ・命』多くの事、全ての事が農業に詰まっています。
いい事ばかりじゃありません。農業は自分の思い描いている半分も上手くいきません。苦しい事も多いです。それもひっくるめて『生きてる。生かされてる』って感じます。
これも直接お客様と触れ合っているから、多くの出会いがあるからです。150年以上の代々の苦労があるからです。
直売所も無く、果物狩りもしていなかったら、農業をやっていなかったら、今の人間関係は築けませんでした。皆様の人生ともリンクしていませんでした。
今では視察や研修を希望されて、全国から海外からも石原果樹園に来られる方が多いです。年配の方は父親が対応して、僕は若い方に農業や果物やお客様に対する考え方を語っています。
僕は青臭いんで、夢や希望を語ります。
僕が果樹園を案内して色々と話した後に、若い子が『握手して下さい』なんて言ってくれたりもします。人前で話して、みんなの真剣な眼差しを見る事で『人ってお金じゃ無い。気持ちなんだ』と、こちらが勉強させて頂いています。多くの出会いがあって、僕の言葉も生まれてきます。
農業は1人じゃやっていけないですし、素晴らしい出会いに支えられてここまできました。
いい出会いが多い程、学ぶ事が大きく、考え方も磨かれると思います。
今までの出会いに恩返しする為にも、視察や研修も出来る限り受け入れます。
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この1年も本当に色々と考えさせられたシーズンでした。
色々あった2010年でも、1月31日におばあちゃんが脳梗塞で倒れた事はとても大きな事でした。
僕はおじいちゃんを亡くした時もアメリカで研修中でしたし、家族がいなくなるって事を直接感じた事がありません。『もし家族が目の前でいなくなるって事は、とてつもなくショックだろう』とずっと恐れてきました。
そして昨年おばちゃんが倒れた時も、僕は宮崎県の日南海岸でのんびり海を眺めていました。一報を聞いて、高速を泣きながらぶっ飛ばして岡山に帰りました。
倒れた当初は『数日持つかどうか』と言われていました。かすかに唇で反応がある事に喜んで、何も反応が無いと悲しんで、すごく苦しい日々でした。
周りの温かさに支えられ『俺に何ができるのか?』と考えた時に、出来る事は日々をしっかり生きるという事でした。普通に仕事をして、夜になったら御見舞に行って。
おばあちゃんは毎日山を歩いて上がって、果樹園で働いていました。とても根性と体力があります。
HCUから一般病棟、そしてリハビリ病院に移り、今では近くの施設にいます。
車椅子に乗れていますし、簡単な食事も、しっかり話せるようにもなりました。
7月26日に半年ぶりに我が家におばあちゃんを連れて帰ってきた時は、特別な日でした。マックスもおばちゃんに撫でて貰って幸せそうでした。
ここまで良くなるとは。本当に頑張ってくれました。奇跡のようです。
でもどんな状態でも、命あってくれれば十分です。
お客様や知人にも『おばあちゃんは元気ですか?』とメールを頂いたり、お見舞に行って頂いたり、ありがたくて泣く事も度々ありました。
本当に皆様ありがとうございます。
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僕も就農して今年で14年目を迎えます。
毎年毎年、温かなお客様が増え、素晴らしいスタッフ、全国の農業仲間にも支えられて、石原果樹園は我が家だけの物では無くなりました。
出会いや経験を積んで、農業や社会に対する考え方、アプローチもかなり変わりました。
『県外から多くの方にお越し頂いている事は、岡山県の農業の入口になっている』『農業を知って頂くきっかけを作っている』という自覚もあります。
農業だけじゃなく、どんな職業も皆で支えあって、この素晴らしい日本を作っています。
多くの皆さんに支えて頂いている『感謝の気持ち』を持って真っすぐいけば、農業も日本も間違いは無い!と信じています。
大規模な果樹園では無いですが、『こうすれば楽しく、意味あって農業がやっていける』それがハッキリと見えてきました。新しく農業を目指す方の指針でありたいとも思っています。
皆様から頂いた笑顔や力を、農業貢献、社会貢献に繋げていきます。
色々書いてたら、『うっし、やるぞ!』と、力が湧いてきました!
今年もやりたい事が沢山あります!
2011年度も何卒宜しくお願いいたします!
皆様のご健康、ご多幸を心から願っております。
できるだけブログを更新する年にもする!←っと、口だけ宣言します。。